こんにちは。千葉市美浜区真砂のパーソナルジム、FORESTA BODY DESIGNの森です。
私は現在、クラシックフィジークというカテゴリーで大会に出場しています。2025年と2026年の関東クラシックフィジーク選手権では、2年連続で4位をいただきました。
「クラシックフィジークって何?」
「ボディビルやメンズフィジークと何が違うの?」
「体重制限があるって聞いたけど、どういうこと?」
クラシックフィジークは、日本では比較的新しいカテゴリーです。そのため、こうした質問をよくいただきます。
今回は、現役の選手として、クラシックフィジークの特徴、身長別の体重制限、衣装、規定ポーズ、審査の流れ、そして競技の魅力と難しさを詳しく解説します。
この記事は、主にJBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)のルールをもとに解説しています。ルールは改定されることがあり、大会によって一部アレンジされる場合もあります。出場を検討される際は、必ず最新の大会要項をご確認ください。
クラシックフィジークとは
クラシックフィジークは、ボディビルとメンズフィジークの中間に位置するカテゴリーです。
JBBFでは、国際組織IFBBのルールを基本として、2020年から男子ボディビル競技の新しいカテゴリーとして開催されています。
求められるのは、
- 細いウエストと、広い肩幅によるVシェイプのシルエット
- 上半身、下半身ともに、丸くボリュームのある筋肉
- しっかりとした仕上がり(絞り)
です。
イメージとしては、1970年代ごろの「ボディビル黄金期」の選手のような体です。筋肉の大きさだけを追い求めるのではなく、大きさと美しさ、プロポーションのバランスが評価されます。
ボディビル・メンズフィジークとの違い
男子の主なカテゴリーと比べると、クラシックフィジークの特徴がよくわかります。
| 比較項目 | ボディビル | クラシックフィジーク | メンズフィジーク |
|---|---|---|---|
| 衣装 | ボディビルパンツ | 黒単色のショートショーツ | サーフパンツ(膝丈) |
| 体重制限 | 体重別クラスあり | 身長に応じた上限あり | なし(身長別クラスあり) |
| 評価される筋肉 | 全身 | 全身 | 主に上半身 |
| ポージング | 規定7ポーズ+フリー | 規定7ポーズ+フリー | クォーターターン中心 |
| 求められる体 | 最大限の筋肉量 | 大きさと美しさの両立 | 逆三角形、爽やかさ |
ボディビルとの大きな違いは、体重に上限があることです。メンズフィジークとの大きな違いは、脚も審査されることと、ボディビルのポーズで競うことです。
身長別の体重制限
クラシックフィジークで最も特徴的なのが、身長に応じた体重制限です。JBBFのルールでは、次のように決められています。
| 身長 | 体重の上限 |
|---|---|
| 168cm以下 | (身長−100)+4kg |
| 171cm以下 | (身長−100)+6kg |
| 175cm以下 | (身長−100)+8kg |
| 175cm超 | (身長−100)+11kg |
計算例
- 身長165cm:(165−100)+4=69kgまで
- 身長170cm:(170−100)+6=76kgまで
- 身長175cm:(175−100)+8=83kgまで
- 身長180cm:(180−100)+11=91kgまで
大会当日の計量で、この上限を超えていると出場できません。
体重制限があることの意味
この体重制限があるので、クラシックフィジークでは、ただ大きくすればいいわけではありません。
限られた体重の中で、
- どれだけ脂肪を落とし、
- どれだけ筋肉の割合を高め、
- どれだけ美しいプロポーションをつくれるか
が勝負になります。
ウエストが太いと、同じ体重でもシルエットが崩れて見えます。逆に、ウエストが細く、肩や脚にしっかり筋肉がついていれば、同じ体重でもずっと大きく、美しく見えます。
私自身、この体重制限の中で「どこに筋肉をつけ、どこを絞るか」を常に考えながら体をつくっています。これがクラシックフィジークの難しさであり、最大の面白さでもあります。
衣装(コスチューム)
JBBFのクラシックフィジークでは、次のような衣装が定められています。
- 黒単色のショートショーツ
- 着用時の横幅が15cm以上
- 股下は、太ももの上部が確認できる長さ(長すぎないこと)
- ショーツへの装飾やパッドなどの挿入は禁止
ボディビルパンツより布の面積が大きく、どこかクラシックな雰囲気のある衣装です。JBBF主催の大会では、JBBF公認品の着用が求められる場合があるので、事前に確認しましょう。
規定ポーズ ― 7つのポーズと「バキュームポーズ」
クラシックフィジークの規定ポーズは、次の7つです。
- フロント・ダブルバイセップス 正面を向いて両腕を曲げ、上腕二頭筋と全身の正面を見せる
- サイドチェスト 横を向いて、胸の厚みと腕、脚の横からの迫力を見せる
- バック・ダブルバイセップス 後ろを向いて両腕を曲げ、背中の広がりと厚み、脚の裏側を見せる
- サイドトライセップス 横を向いて、上腕三頭筋と体の横からのラインを見せる
- バキュームポーズ お腹を大きく凹ませて、ウエストの細さと体幹のコントロールを見せる
- アブドミナル・アンド・サイ 両手を頭の後ろに組み、腹筋と脚の前側を見せる
- クラシックポーズ 選手自身が選ぶ、クラシックな雰囲気のポーズ
特に重要な「バキュームポーズ」
クラシックフィジークならではのポーズが、バキュームポーズです。お腹を大きく凹ませて、細いウエストとVシェイプのシルエットを強調します。
JBBFのルールでも、バキュームポーズの完成度が特に重視されるとされています。予選の最初には、全選手がバキュームポーズのみでチェックされるほどです。
バキュームポーズは、腹部の筋肉と呼吸を細かくコントロールする必要があります。実は、ピラティスで養う呼吸法や体幹のコントロール力が、ここでとても役に立ちます。
(詳しくは、ブログ「ピラティス×加圧で、しなやかに強い体へ」もご覧ください)
クラシックポーズ
クラシックポーズは、選手が自由に選べるポーズです。往年の名選手を思わせるような、美しさと力強さを表現するポーズが求められます。自分の体の長所が最も生きるポーズを研究するのも、クラシックフィジークの楽しみの一つです。
審査の流れ
JBBFのクラシックフィジークは、主に次の流れで審査が行われます。
① ピックアップラウンド(出場者が13名以上の場合)
バキュームポーズでのチェックのあと、規定4ポーズ(フロント・ダブルバイセップス、サイドチェスト、バック・ダブルバイセップス、バキュームポーズ)で比較し、上位12名を選びます。
② ラウンド1(12名の順位付け)
バキュームポーズのチェック → リラックスポーズ(クォーターターン) → 規定7ポーズ → 比較審査
③ ラウンド2(上位6名の順位付け)
リラックスポーズ → 規定7ポーズ → 約60秒のポーズダウン(選手が一斉に自由にポーズをとって競い合う)
④ ラウンド3(上位6名の順位付け)
一人ずつ、自分で選んだ曲に合わせて60秒以内のフリーポーズを披露します。最後に6名が並んで最終チェックを受け、競技終了です。
審査基準 ― 審査員はどこを見ているのか
クラシックフィジークで評価される主なポイントは、次のとおりです。
1. シルエット・プロポーション
細いウエストと広い肩幅によるVシェイプ、そして上半身と下半身のバランス。クラシックフィジークで最も重視されるポイントの一つです。
2. 筋肉の形とボリューム
上半身も下半身も、丸くボリュームのある筋肉が求められます。ただし、体重制限の中での勝負なので、筋肉の「形の美しさ」も大切です。
3. 仕上がり(コンディション)
体脂肪がしっかり落ち、筋肉の形や筋がはっきり見えているか。ボディビル、メンズフィジークと同様に、しっかりとした仕上がりが評価されます。
4. ポージングと表現力
規定ポーズの正確さと美しさ、バキュームポーズの完成度、フリーポーズでの表現力。体の良さを最大限に伝える技術が求められます。
クラシックフィジークの魅力
「大きさ」だけでなく「美しさ」で勝負できる
ボディビルは、筋肉量の多さが大きな武器になります。クラシックフィジークは体重に上限があるので、体のバランスや美しさで勝負できます。身長や骨格に関係なく、誰にでもチャンスがあるカテゴリーです。
表現力が問われる
クラシックポーズやフリーポーズでは、自分らしい表現ができます。音楽に合わせてポーズをつなぎ、自分の体の魅力を伝える時間は、ステージに立つ醍醐味です。
ボディビルの歴史を感じられる
クラシックフィジークは、ボディビルの黄金期へのリスペクトから生まれたカテゴリーです。往年の名選手のポーズや体づくりを研究するのも、大きな楽しみの一つです。
クラシックフィジークの難しさ
体重管理がシビア
体重制限があるので、増量しすぎると上限を超えてしまい、減量しすぎると筋肉のボリュームが失われます。最適な体重で、最高の仕上がりを目指す。この繊細な調整が求められます。
全身をバランスよく鍛える必要がある
メンズフィジークのように上半身だけでなく、脚も含めた全身が審査されます。苦手な部位をつくらず、バランスよく鍛えることが大切です。
バキュームポーズの習得
バキュームポーズは、一朝一夕では身につきません。毎日の練習が欠かせないポーズです。
私がクラシックフィジークに挑戦している理由
私はこれまで、ボディビル、メンズフィジーク、クラシックフィジークの3つのカテゴリーに出場してきました。
- 2019年 関東学生ボディビル選手権 4位
- 2021年 オールジャパンメンズフィジーク 23歳以下 4位
- 2022年 オールジャパンメンズフィジーク 一般 13位
- 2023年 関東クラス別ボディビル選手権 12位
- 2023年 日本クラシックフィジーク選手権 9位
- 2025年 関東クラシックフィジーク選手権 4位
- 2025年 日本クラシックフィジーク選手権 7位
- 2026年 関東クラシックフィジーク選手権 4位
ボディビルの迫力と、メンズフィジークの見せ方。その両方を経験したうえでたどり着いたのが、クラシックフィジークでした。
クラシックフィジークに挑戦したい方へ
「クラシックフィジークに出てみたい」と思った方は、まず次のことから始めてみてください。
- 自分の身長から、体重の上限を計算してみる
- 今の体重と体脂肪率を把握する
- 実際の大会を観戦して、選手の体やポージングを見てみる
- バキュームポーズの練習を始めてみる
FORESTA BODY DESIGNでは、現役のクラシックフィジーク選手として、体重制限を踏まえた体づくり、減量、バキュームポーズを含むポージング指導まで、トータルでサポートしています。
(大会出場のサポートについては、ブログ「千葉市で大会出場をサポートしてくれるパーソナルジム」もご覧ください)
よくある質問
Q. クラシックフィジークは初心者でも出場できますか?
A. 出場できます。まずは地方大会やオープン大会から挑戦するのがおすすめです。
Q. 身長が低くても不利になりませんか?
A. 身長に応じて体重の上限が決まっているので、身長が低い方にもチャンスがあります。大切なのは、限られた体重の中でのバランスと仕上がりです。
Q. メンズフィジークから転向できますか?
A. できます。ただし、脚も審査されるので、下半身のトレーニングを強化する必要があります。私自身もメンズフィジークからクラシックフィジークに転向しました。
Q. FWJなど、ほかの団体にもクラシックフィジークはありますか?
A. あります。ただし、団体によって体重制限やルールが異なるので、出場する団体の規定を必ず確認してください。
まとめ
- クラシックフィジークは、ボディビルとメンズフィジークの中間に位置するカテゴリー
- 身長に応じた体重の上限があり、限られた体重の中で大きさと美しさを競う
- 衣装は黒単色のショートショーツ
- 規定ポーズは7つ。特にバキュームポーズの完成度が重視される
- 審査では、シルエット、筋肉の形とボリューム、仕上がり、ポージングが評価される
クラシックフィジークは、体づくりの奥深さと、ステージでの表現の楽しさを、両方味わえるカテゴリーです。興味を持った方は、ぜひ一度大会を観戦してみてください。そして、挑戦してみたいと思ったら、いつでもご相談ください。
参考
- JBBF「新カテゴリー・クラシックフィジークについて」(2019年12月)
- 公益社団法人 日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)